レポート
2016.07.04

里海名人の知恵 ◇瀬戸内海歴史民俗資料館◇

 高松市亀水町(たるみちょう)の瀬戸内海歴史民俗資料館で開催されていた企画展『里海名人の知恵~かがわ里海「聞き書きプロジェクト」~』にラジオカー中継も兼ねてお邪魔しました。こちらの施設は瀬戸内地方の歴史、民俗等に関する資料の収集、保管、展示、調査及び研究を行うことによって、郷土の歴史と文化財に対する認識を深めることを目的として設立されました。五色台の山上にあり、天気が良いと瀬戸内海を一望できる最高のロケーションなのですが、当日は、濃霧で真っ白。でも霧の中にそびえ立つ石垣が特徴的な瀬戸内海歴史民俗資料館も幻想的でなかなか良いものでした。
 今回の企画展は平成27年度に里海づくりの一環として実施されたもので、「聞き書き」という手法を通して、長年にわたり山や海、川などと深く関わってきた里海名人たちの記憶を、次世代の若者たちへ「体験=人」を通じてリレーするプロジェクトとして、香川県在住の23人の若者たちが、24人の里海名人を訪ねたものです。
 ちなみに「里海名人」とは、長年にわたり、山や海、川などの自然に深く関わってきた地域の長老たちのこと。高校生や大学生の若者たちがそんな名人たちにインタビューをし、その録音した会話を「書きおこし」、名人たちの語り口をそのまま生かしながら「文章にまとめ」るという「聞き書き」を行ったものがパネル展示されていました。

当時の道具たちも展示!

  1. タイラギ漁で使用した潜水漁用ヘルメット
  2. 昭和40年代頃のみそ桶
  3. お話を伺った橋本貴世さんと佐々木卓也さん

若者たちが里海名人たちに聞いて書きおこした文章は、まさに生きる知恵を学ぶものばかり。これまでは暮らしの中で親から子、孫へと体験を通して受け継がれてきたものでした。しかし今はその世代循環が途切れかけてきているのかも、という危機感を今回の企画展を通じて感じました。

ある名人が「わしだけでもなんとかせないかんと思おて」と、

当時、孤軍奮闘して守り抜いた里海を、これから私たち一人一人が次世代へ大切に繋いでいかなくてはいけません。

イベント詳細

イベント名里海名人の知恵 ~かがわ里海「聞き書き」プロジェクト~
日程平成28年6月4日(土)~7月3日(日)
場所瀬戸内海歴史民俗資料館
主催瀬戸内海歴史民俗資料館 香川県環境森林部環境管理課
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