三豊市仁尾町の父母ヶ浜(ちちぶがはま)は、遠浅の海岸が南北約1㎞続く、波の穏やかな海水浴場です。
今年は7/2に海開きが行われ、毎年夏にはたくさんの海水浴客が訪れます。
干潮時には最大で幅約400mの干潟が姿を現します。写真は、あと3時間程で干潮時刻になるというタイミング。
規則的な砂紋に思わず見惚れてしまいました。
そんな父母ヶ浜に先日ラジオカーでお邪魔し、21年にわたりボランティア清掃を続ける地元の方たちに取材しました。
21年程前から毎月第一日曜日の朝6時から約1時間にわたってボランティア清掃を続けてこられている主要メンバーの方々です。現地集合、現地解散で、毎回50人~60人の、下は小学生から上は90歳近い方までが参加しています。
南北に約1㎞続く砂浜での清掃活動です。和気あいあい・・・というよりは各人が汗だく砂まみれになりながら、黙々と必死にゴミを集める作業が1時間続きます。そのあとは、参加者たちが100円出し合ってお茶を飲むそうで、その時間が実に楽しい充実した時間なんだそうですよ。
ボランティア清掃を始めたきっかけも、21年前に溯ります。実は、父母ヶ浜を埋め立てて工場を建設する、という計画が持ち上り、随分議論を戦わせたそうです。「地元にとって父母ヶ浜がどんな存在なのか?」「父母ヶ浜を自分たちで守るためには何をすればいいのか?」はっきりした答えが出る前の「まず第一歩」で始めたのが、ボランティア清掃です。はじめは6人ほどのメンバーからスタートしました。
干潟は水深が浅いため多量の酸素が海水に含まれ、河川や陸地から栄養物質が流れ込みます。このため魚介類などの生物が豊富で、シギやチドリなどの渡り鳥の飛来地にもなっています。波打ち際に集まる鳥たちが、貝やカニなどを食べる光景は、生命の営みも教えてくれているようです。
ボランティア清掃のメンバーの中には、海浜植物や干潟生物に詳しい方がおり、毎年、地元の仁尾小学校の子供たちを案内し解説されているそうです。親から子、子から孫へと受け継がなくてはならないことが、ここ父母ヶ浜にはたくさん溢れています。
塩田健治さんが「父母ヶ浜は、浜から海を眺めるのもええけど沖から浜を見るのも最高やで」と、とっておきの楽しみ方を教えてくれました。菅磯夫さんは「砂の粒子が細かいきん、裸足で歩いたときの感触が気持ちええんや」と、子供のころから遊び場でもあった父母ヶ浜の話を大切な思い出も添えて話してくれました。鴨田隆司さんは「昔はここでハマグリも採れよったきん」と、父母ヶ浜の今昔を丁寧に話してくれました。
ちょうど3人組の女の子たちが海水浴を楽しんで帰ろうとしているところ。話を聞くと丸亀から遊びに来たそうで。すると、鴨田さん、塩田さん、菅さんの3人が
「また遊びにおいでや~!ありがとう~!」と。
いいな~、このかんじ。また訪れたくなりました。きっとあの女の子たちも遊びに来るでしょう。父母ヶ浜は何回も来たくなる場所です。
イベント名 | 父母ヶ浜ボランティア清掃 |
参加人数 | 50人程度 |
日程 | 毎月第一日曜日 |